2001年の梨畑から(のらやま通信 NO.79 2001年7月号)
2001年の梨畑から
- 2001年4月28日(写真左下)
半月前、白い花に包まれていた梨園はもう緑一色に。一つの花芽には8つの花が隠れていて、すべて交配されると一ケ所に8つの実がついてしまいます。この中から一つだけの実にして、さらに間引きます。これを摘果作業といい、実を大きくするための重要な作業です。これからひと月間の勝負です。
- 2001年5月3日
昨年12月に梨園の中に種子を蒔いたライ麦が背の高さほどになっています。このライ麦は実を採るのでなく刈り取られて緑肥になり、根が枯れるとそこが土中に空気を送る孔(あな)となります。根の深さは穂の高さと同じくらいにもなるとか。ライ麦は梨園の中で冬から春の太陽エネルギーを有機質に変え、土を耕し柔らかくするはたらきをしています。
続きを読む稲作のコストダウンを考えて(のらやま通信 NO.75 2001年2月号)
稲作ののコストダウンを考えて
昨今の米価急落に対処するため、米生産のコストダウンが余儀なくされています。
10a当たりの米の生産費に占める労働費の割合は約30~40%(アメリカでは5%前後)といわれています。10a当たりの労働時間は平成5年の資料では38.7時間です。主な作業としては苗代、耕起及び整地、田植え、灌排水管理、稲刈及び脱穀がありますが、このうち田植えまでの労働時間が17.1時間で、全体の45%に相当します。
これらの作業を省く稲作技術として、不耕起、直播きなどが全国で試みられています。環境保全米が農家自身や在野の研究者によって取り組まれている例が多いのに対し、省力稲作は各県の農業試験場など公的機関を中心に取り組まれているようです。
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