2001年の梨畑から(のらやま通信 NO.79 2001年7月号)

2001年の梨畑から

  • 2001年4月28日(写真左下)

 半月前、白い花に包まれていた梨園はもう緑一色に。一つの花芽には8つの花が隠れていて、すべて交配されると一ケ所に8つの実がついてしまいます。この中から一つだけの実にして、さらに間引きます。これを摘果作業といい、実を大きくするための重要な作業です。これからひと月間の勝負です。

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梨の幼果
  • 2001年5月3日

 昨年12月に梨園の中に種子を蒔いたライ麦が背の高さほどになっています。このライ麦は実を採るのでなく刈り取られて緑肥になり、根が枯れるとそこが土中に空気を送る孔(あな)となります。根の深さは穂の高さと同じくらいにもなるとか。ライ麦梨園の中で冬から春の太陽エネルギーを有機質に変え、土を耕し柔らかくするはたらきをしています。

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緑肥用ライ麦
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市民と農業者の融合(のらやま通信 NO.78 2001年6月号)

市民と農業者の融合

 もう何年も前から都市近郊での農地が遊休化していることが指摘されていますが、一方で、ガーデニングブームや環境志向の高まりによって、農業や農作業に興味を持つ消費者・都市住民の方々も多く見られます。『手賀沼トラスト』というわが家の関わっている市民グループはそういった農地と消費者・都市住民を結び付ける仕組みづくりを模索しているのですが、農地法等の制約から消費者・都市住民が本格的に農業に取り組むには法人化しかないと考えていました。

 そんな折、『消費者が法人の経営に参加 休耕地耕し生産・直売』という農業新聞の見出しが目についたので、仲間達と現地に行ってみました。

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農産加工所「すぎのファーム」開始です(のらやま通信 NO.77 2001年5月号)

ごあいさつ

わが家は梨と米の専業農家で4世代8人家族。曾祖母、祖母、母と自給用の食べ物の加工技術を受け継いできました。その思いは「子どもを成長させ、老人を長生きさせ、働き手の明日のエネルギーとなること」。この思いをそのままに、農産加工所『すぎのファーム』を起業しました。たとえば草餅は、子らがヨモギ摘み、祖父が餅つき機の調整、祖母が餅つき加減の判断、母がパッキング、父がラベルづくりと家族みんなで手作りしました。これからも添加物なしの安全、健康、手作りの味をお届けします。よろしくお引き立ていただけますようお願いいたします。

2001年4月 すぎのファーム

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道の駅は未知の域?(のらやま通信 NO.76 2001年4月号)

道の駅は未知の域?

 4月20日に町内に道の駅「しょうなん」がオープンします。敷地内に農家有志の経営する農産物直売所が開設されます。わが家の農産加工所からも出品しようかと考えているのですが、はたして本格稼働へスタート!といけるでしょうか。

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稲作のコストダウンを考えて(のらやま通信 NO.75 2001年2月号)

稲作ののコストダウンを考えて 

 昨今の米価急落に対処するため、米生産のコストダウンが余儀なくされています。

 10a当たりの米の生産費に占める労働費の割合は約30~40%(アメリカでは5%前後)といわれています。10a当たりの労働時間は平成5年の資料では38.7時間です。主な作業としては苗代、耕起及び整地、田植え、灌排水管理、稲刈及び脱穀がありますが、このうち田植えまでの労働時間が17.1時間で、全体の45%に相当します。

 これらの作業を省く稲作技術として、不耕起、直播きなどが全国で試みられています。環境保全米が農家自身や在野の研究者によって取り組まれている例が多いのに対し、省力稲作は各県の農業試験場など公的機関を中心に取り組まれているようです。

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環境保全米というけれど(のらやま通信 NO.74 2001年2月号)

環境保全米というけれど

 今年も米作りが始まります。昨年の米価は一昨年よりさらに10%引き下げられました。減反達成による補助金だけが頼りで、稲作農家は足元ふらふらの様相です。わが家は昨年減反しなかったものですから補助金も期待できず、収穫量もふえて在庫で頭を抱えています。以前は減反もしていたのですが、何をしても手間がかかり、結局、機械の揃っている稲作が水田を管理するのに最も効率的で生産的でした。しかし、これだけ米余りで値下がりしている状況では米作りに対して抜本的な組み替えが必要と感じています。

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スキー、スキー、好きー(のらやま通信 NO.73 2001年1月号)

スキー、スキー、好きー

 長期の休みになると、親は子供のためと称して子供をどこかに連れて行こうと考え、子供もそれを期待します。実は、親のストレス解消、脱日常の機会になっているのですが…。

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